2013年11月29日金曜日

#6

ホーム最終戦の横浜FC戦の日、スタジアムのロビーで彼を見かけた。
スーツ姿だったから、ベンチ入りしてないことが分かった。
そのままアウェイチームのロッカールームの方へ歩いて行ってたのだけど(市村君に会いに)、途中にメディア控え室があるから、恰好としては彼の数mあとを俺が歩いて行く形になる。
しばらく試合に絡んでないから練習後に話を聞く時間は少なくなっていて、
ちょっと声をかけるのに勇気がいった。
けど思い切って声をかけた。というか、追っかけて行って肩をたたいた。
振り向いた彼の顔を見た瞬間に、ちょっと溢れてきて、うまく言葉にならなかった。
15秒くらいのものだけど、ちゃんと顔を見ることができなかった。
そんなん、まだ発表されてるわけでも本人に通達されてるわけでももないのに、
今季でいなくなってしまうんじゃないかと思ってそんな風になってしまった自分にも腹が立って。

でも、彼はいつもみたいに、
八重歯をのぞかせて笑うんだ。苦笑いだったかもしれないけど。

でもこうも思えた。
今日ベンチに入ってないってことは、
そういう、最後の舞台が用意されてるわけではない、
てことは、今年で終わりってわけじゃ、ないんじゃないか。
試合にはあまり出られなかったし、
もしかしたらそうなってしまうかもしれないけど、
でもそうならない可能性もまだあるだろうと。

でも実際には、望みは持っていながら、どっかで覚悟はできてた気はする。
だから今朝のリリースも、
驚いたんだけど、驚かなかったとも言える。

ただ、ホントに最初の日から生き残ってきた彼だから、もっとふさわしい状況で、
ちゃんと送り出したかった。
それはクラブ側にもなかったわけではないと思うけど、
今年は北嶋選手の件もあって。
比べられないというか、種類が違うから、
こういう形になってしまったのは仕方ない部分もあろうとは思う。

それでも午後にリリースの出た3人とは別に発表したところには配慮を感じた。

今日、練習後に少し話をした。

本人は気丈にしているし、ああいう性格だから、つとめて明るく振る舞ってる。
でも胸の内ではきっと、悔しさやら無念さがあるだろうと思う。
なきゃおかしいもんね。

今年、紅白戦の時に主力組から外れて、ボトルを地面に投げつけたことがあったろ。
あの場面見て、「乗り越えろ」と思った。椅子は自分で掴め、取り返せ。そう思った。
とくに去年までの数年間もきつかったよね。
でもそういうキツい時期も、
もっと遡って20歳でほんとになんにもないところに来て、
練習場を転々として、試合の日でさえテントみたいなところで着替えたりシャワーも無かったり、
そういう環境を経験してきたことを思えば、大丈夫だと思った。

「Jリーグ行こうぜ」っていう目標を皆で共有して、そこに届いたんだから。

山と谷と、嵐もあったと思う9年だけど、この時間はぜったいに糧になるよ。

だからもうひと回り大きくなって、ぜったい帰ってこい。

2013年11月26日火曜日

2013終了。

今シーズンが終わった。
何と言っていいのか、うまく適切な表現が思い浮かばないのですが、正直に言うとあまり残るものが少なかったシーズンではなかったかと感じている。単純に過去6年でいちばん悪い成績に終わった、ということを差し引いても、ですね。

始まったときの期待感は大きかったです。でも途中でそれもしぼんできて、池谷さんになってからはとにかく残ることが大きな命題になってしまった。なので次につながる、とか、クラブのスタイル、とかいうのは二の次で。とにかく落ちない、そこだけが焦点になってしまったシーズンでした。

そういうなかで北嶋選手の引退表明があり、それももちろん残念なことだし、周り次第で点が取れてれば、どうにかもう1年やらせることだってできたんじゃないかという思いもあるんだけど、それは北嶋選手本人が決めたことなのでどうにもしようがない面はある。で、やっぱり最後の花道で点取ってもらいたい、ということで、それができるかできないか、ということにまた焦点が絞り込まれていき、結果、取れなかったねっていうことで、そうなると「やっぱりなかなかそう簡単にはいかないよね」ってことになる。それはそうなんだけど。

けど試合の方を見てみれば、神戸戦も横浜FC戦も、なんというか、やられ方としてはやっぱり、1シーズンやってきたチームのやられ方じゃないですよ。横浜FC戦はそれでもなんとかまだいい部分はあったけど、神戸戦に関しては全部、池谷さんも終わってから「差を感じた」とおっしゃってたように質が低すぎる。もう、オーガナイズとかアイデアとか以前のところ、ボールスキルから何から。もちろんメンタルも。
残念だけれどこれがやっぱり現実なのだなと、見ていて思いました。
悔しかったね。

そうした中、今日の朝刊で小野剛さんで来季はほぼ決まり、との報。
根回しして裏とっての一面なんで間違いないのでしょうし、詳しくは分からないところもあるけれど、今年、そして10〜12年の経験を踏まえての、クラブとして進んで行きたい方向とうまくフィットする人選なんだろうと思う。

確かにチームとして変化を生み出すには監督の手腕によるところが大きいけども、上手くなるかならないかは逆に個々の取り組み方やどんだけ時間をかけたかにかかってくる。これから編成ということになりますと、出て行くことになる選手、残る選手というのが必然的に出てくるけれど、残る選手とこれから入る選手には、その辺を監督やコーチ任せにしないで、皆が向上心をもってやってくことで、チームとして新しいフェーズに入っていってほしいなと思います。
それが北嶋秀朗という選手が残したことでもあると思うので。

来年はいっぱい笑いたいですね。

写真 のコピー写真

2013年11月18日月曜日

共鳴はしていたと思って。

今年のホームゲームが終わりました。
いろんな舞台が整って、彼は取るんじゃないかと思っていた。


でもそう簡単にはいかないですね。そういうドラマっていうのは選手1人1人が皆、大なり小なり持っているものではないかと思うし、そういうのは全部が全部表に出てくるものではないわけで。つまり対戦相手にもそういう何かは常にあり得る。次節は吉田孝行選手も引退ゲームですし。

そうは言っても、09年の山口武士のあの場面がいまだに鮮烈に残っているからこそ、また同じようなことが起きるんじゃないかという期待が膨らんでいたんでしょう。

実を言うとそう自分も感じていたし期待もしていたから、先週いろいろと、といっても主に J's GAOL ですが小出しにしていたネタは、その瞬間に向けた布石というか、前振りでもあったのでした。

まずはできるだけたくさんの人に見て欲しいんで、呼びかけにつながればと12日のJ2日記でスタジアムっていう空間そのものの賑やかしさや楽しさについて触れ、試合2日前の15日、ああいう撮り方はあんまりしないんですけど練習後の囲みの時に話を聞きながら撮った目元に寄った写真をアップし、前日のプレビューで冒頭から触れて軽めに煽って、当日のスタジアムで配布されたマッチデープログラムの表紙コピーに “GET GOAL with us!! ” と、今シーズンのクラブスローガンのフレーズをまじえた文言を打ち、スタジアム全体で彼のゴールを取るんだ、という思いや熱、そういうのを表現したつもりでした。(中面の横浜FCの予想スタメンに前節退場して出場停止になってた武岡選手が入っちゃったのは確認漏れでした)

確かに、ウォーミングアップのときからもそうだし、彼がピッチに入ったときももちろんそうだし、ゲームに出てから終わるまでの約45分のほとんど、横浜FC側のお客さんを除く11,800人くらいの観客と、ベンチで見てる選手、試合に出れてない選手の思いも全部、今までにないくらい重なって共鳴してたとは思うですよね。
でもそういう環境があっても、結局ゲームを動かしてるのはプレーしているプレーヤーであって、物事は周囲の思い通りにはならないもんなんだなと。本当にあたりまえの話なんだけど。

ホームでは結局今年ゴールは生まれなかったけど、あと1試合残っているのでね、可能性ということでいえばまだ何があるか分からないわけだから、望みは持っておきたいと思う。
チーム全体については全部終わってから、思うところ改めて残すとしますが、各方面からそろそろシーズン総括に関する原稿のご依頼もいただいているので、少しずつ振り返りを始めなくてはというところです。

ところで今日は北九州との練習試合でしたが(その内容については触れない)、午前中にリカバーをやってケアと昼食を済ませた彼が、トレーニングマッチを見ていた我々(僕と、K日運動部U山さんとK日携帯N島さん)がいる方、サッカー場とラグビー場の間の土手のとこに「こっちの方が見やすそうだから」って来まして、後半から横に座って見ていた。
10分ほど経ってからアカデミーの永尾さんが来て彼の横に座ってちょっとずつ話し始めたんだけど、ゲーム見ながら最終ラインの選手のポジショニングのこととか、そっからのボールの付け方とか、意識共有する上での弊害になることをどうやって取り除いていくかとか、そういうことを延々話し込んでました。「じゃあ、それちょっと練習でやってみるよ」とか言いながら。

すごいわ、こん人。

モチベーションていうか熱がまったく冷めてない。ま、本当にあと1試合だから、本当にどうにかして1点、最後の1勝っていうのもあるのかもしれないし、これからもサッカーに携わっていくわけだから、そういう姿勢は当然なのかもしれない。
けど彼の姿勢はちょっとまた何ていうか、他の人とは違う気がするですね。


どういう方向に進まれるかは分からないですよ、ああいうキャラクターでしゃべるのもイケルから解説とかもいいかもしれない。

けど絶対、現場が向いてると思いますね彼は。現場にいないともったいない人だ。

さてあと1試合。
時間が1年半と短かった分、彼に関するいろんなことが濃くなってしまったシーズンでしたけども、冒頭に書いたように誰もがそれぞれにドラマと言うかいろんな思い、持ってるはずです。残ってる時間、あんまりないですが、細やかに拾っていけたらと思います。
書くとこはあまりないのですが…。

2013年11月2日土曜日

高校時代のある日のことを思い出した。

運動公園であった高校選手権の準々決勝を1試合だけ見て来ました。
選んだカードは(というか午後はナビスコ見なくてはいけなかったので必然的にそうなったのですが)、大津対鹿本の公立対決。
インター側から入った駐車場は手前も奥もいっぱいで、メインに停めてからスポーツ広場に向かったのですが、途中サッカー場ではロアッソの遠征組がちょうどクールダウンしているタイミング。顔なじみのT君と交流舘で会ったので、そのままスポーツ広場へ移動して一緒に見たんですけど、結果的に私とT君との母校対決と相成りました。

大津はFWに1人、またCBとGKも180以上の選手が揃ってサイズが大きく、逆に鹿本はGKの選手も高さが無いとあってどうなるかな…と思っていたのですが、入りから鹿本が押し込みます。
大津の方は少しアラートできない状態で入った上に、アグレッシブに寄せてくる鹿本のプレッシングに判断が遅れ気味になり、慌ててつなごうとするも人工芝のピッチでボールが天然よりはねてうまくコントロールできてない感じ。
鹿本の方は前からプレスをかけて、中盤でもタイトに寄せて相手にうまく作らせない、外へ開かせても中に入ってくるセンタリングはしっかり競ってそのセカンドも反応良く拾い、切り替えては一気に前に入れて起点を作る、というような、狙いのハッキリした戦い方。とにかく皆が献身的で、ボールへの執着心や味方をサポートする姿勢が素晴らしい。前で納めた選手も積極的に仕掛けてファウルを誘い、再三大津陣内でFKを得るなど、ダイナミックな攻撃を見せていた鹿本の方に得点の匂いを感じる。
しかしこういう流れだと、押している鹿本の方が点が取れず、逆に押されている方がセットプレーで取ったりするんだよな…と20分頃までは思っていました。ところがどうもちょっと違う。もちろん大津もチャンス自体は作るんだけれども、アタッキングゾーンでの判断の悪さというか、ちょっと消極的なプレーの選択と、最初の芝の件などもあって精度が低い。
そんなわけで、前半と同じような流れのままであれば、おそらく鹿本が勝っていたのではないかと思える展開でした。

しかし後半になるとやはり平岡監督が少しいじるわけですね。
前の配置を換えることによって、大津は2列めのサイド(左)に起点ができ、さらに前線には、相手の背後へ抜ける動きが加わる。メンバーを替えずに配置を換えることで変化を付けた所がポイントで、鹿本の方は前半相当頑張っていたので後半の入りはあまり良くないところに、こうした変化にうまく対応しきれていない後半8分、中央から運んで右に開いて折り返す、というタテヨコの揺さぶりで、前半あれだけ整っていた鹿本のDFを破ってとうとう大津が先制、結局これが決勝点となました。
こうなると大津は堅い。点を取るまではハッキリ言って「これ大丈夫か」と思える出来だったと思いますが、取って以降はまさしく強者の戦い方というか。
2点めを取りに行ってないわけではないだろうけど無茶はしないし、守備はリードを奪ったことで落ち着きが出る。
逆に鹿本は、大津の方が安定したことによって前半出せていた攻撃の形も守備の積極性も、後半になって見られなくなってしまったのが残念でした。

でもいい試合でした。

今もお互い県北、城北地区ではいいライバルではないかと思いますが、私が在学中っていうか、大津に体育コースができるまでは、鹿本が城北地区の雄だったもんね。
高校総体の前、5月頃に阿蘇・菊池郡市エリア対象の「菊鹿(きくろく)大会」というのがあるのですが、私が1年だったときのこの大会で鹿本とやって負けたあと、3年の垣添(カキゾエ)さんという先輩が我々後輩に向かって、「お前たち、鹿本のサッカーばよう見とけよ」と言ってたことを覚えてます。当時は学力でも鹿本の方が上で(今はどうか知りませんけど)、頭を使った賢いサッカーをしていたような。そういうことを思い出した試合でした。

さてその他の試合は見られませんでしたが、
準決勝は
大津 vs 国府
ルーテル vs 鎮西
という組合せになった模様。

冬がやってきますね。