2013年9月18日水曜日

終わったから言えるけど

実を言うと…、勝つと思っていました。
というか、その確率が高いかなと思っていた、という方がいいか。
(まぁ、そう思ってても負けてればこんなことは言えないわけですが)

プレビューで少し触れ、試合後の会見でも池谷さんがちょっと言及しているんですが、先週の金曜の練習で空気が弛んでいる時間があった。そこでピリッと締め直したわけです。

もちろん1回締めて勝てるくらいならば毎回やればいいんだけどそんなことはないし、試合は相手次第でどんな展開にもなる。なのでそうやって緊張感をもう一度持たせたというのはあくまで、ちょっとしたきっかけにしか過ぎないのですが。
ただタイミングとしてはさすがだなという感じでした。見ていたこちらもハッとさせられたし、徳島に勝っても状況は変わってないんだってことを、改めて突きつけられた。

しかしそれ以上に大きいのは、今までゲームに出る機会が少なかった選手が絡んでくるようになってること。
もちろん、誰かが怪我で離脱したり出場停止になったりといった事情が背景にはあって、もしかすると消極的な理由でのチョイスかもしれない。でもそうやって起用された選手が、今のところしっかり貢献している。

これは本来、チームという集合体を考えると当たり前のことでないといけないし、そこはこれまでの強化とマネジメントの範疇に入ってくる話。ただ、シーズンもこの時期になってくると、意外とこれが当たり前でもない、ようである(よそとかを見ていると)。
当然、戦術理解とかスキル、先発組へのフィット具合、試合勘なんかもありますが、それよりもやはりモチベーションやメンタルを同じテンションにしないといけない難しさが、託す方にも託される方にもある気がする。

ところがやっぱり、ああやって久々に出る選手が仕事をしたことで、当人にも周りにもプラスになってる。養父選手の言葉がとっても印象深いんですが、彼は自分自身で試合に出られなくて悔しい気持ちが強かったとも言っていたけれど、
「自分と同じように悔しい思いを持っている選手もいるんで、そいつの分まで」ってことを言っていた。まぁ誰とは言いませんけれど、顔は浮かぶわけです。
天皇杯の試合が終わって次のゲームの2日前にその言葉を聞いて、相手は関係なく、これはいけるのではないかという期待ができたのでした。勘といいますか。

もちろんシーズン終盤になってくると生まれる特有の空気かもしれないし、ホントは初めからそういうエネルギーがある方がいいのでしょうが、ここへ来てそういう、他者のためにっていう動機が出てくると、そしてそれで結果が好転し始めると、確かに勢いがーー書きながら思い出しましたが例えば'09年の終盤みたいな勢いがーーついていくものだと思うわけです。

で、始めはのうちは境遇の似た仲のいい選手とか、それぞれの家族とか、あとはチームのスタッフとかクラブの人とか、「近いところ」に限られてたその「他者」の範囲がちょっとずつ広がっていく。やっぱり気持ちとか思いって伝播していくし双方向での感情の往来が生まれてくるので、そのエリアがスポンサーさんとかお客さん、ゴール裏を染めてくれるサポーター、そして県全体、って感じになってくると、想像もつかないようなすごいことになるわけです。この間の試合後の雰囲気みたいに。

もちろんこうしたことは試合で起きることとは直接の関係はなくて、やっぱり結果に反映されるのはそれまでの積み重ねであって、でも方や無慈悲に、理不尽に勝敗が決まるのもサッカーではある。

一体感って見えないし分からないし難しいですが、それでも、少なくとも気持ちのベクトルが揃ってシンクロするとああなるのかという現象は、たしかに見ることができた月曜日でした。

2013年9月7日土曜日

なくならない

再試合となった北九州戦、結果としては負けてしまった。
競ってるのは結果なんだけども。

ゲームの流れやら感じたことは、ちょっと自分としてはきつめの分類に入るかもなと思うけど、J'sGOALのレポートに書いた。

昨夜は19時開始で20時45分終了、21時05分から監督会見、その後ミックスゾーンでの選手囲み(質問が多かったので両監督会見で30分かかってしまい、選手の多くは既にミックスを通過してしまっていたのですが)、プレス室で23時までコメント起こし、23時にプレス室が閉まるので撤収して一時帰宅、24時過ぎに残りのコメントをまとめて送信し、ちょっと夜食をかきこんで、0時半ごろからレポートのプロットと起草、という感じでやっていました。

そうしましたら1時半頃ですか、「のどが乾いた」と起きてきた子どもが、居間で原稿を書いている私に話しかけてきた。

「ロアッソ今日何点だった?」
「1点だったよ、のぞみくんが決めたよ」
「相手は何点?」
「2点だった」
「じゃあ負け?」
「そうだね、負けたということになるねぇ」
「でもとうちゃんはお仕事があると?」
「そうだよ、なんで?」
「あのねー、ロアッソがもし負けたら、とうちゃんのお仕事がなくなるってママが言ってたんじゃないのー」
……いや、ちょっとそれは違うがな(笑)
「あー。それはね、もしもずーっと負けて、たとえばJリーグでは試合ができませんよーってなったとしたら、とうちゃんの仕事がひょっとしてなくなるかもしれないねーってことだよ。でもまだちゃんとJリーグだから、今日の試合はこうでしたよっていうのを、いま書いてるんだよ」
「なんだー、よかったねー」
……うん。まあ、今のところはな。

しかし重い。いや、俺の仕事とかはどうでもいいんだ(まあホントのところはどうでも良くはない)。
ただ万が一そういうことになったとしたら、あらゆることが変わるんだろうということを改めて感じたですよ。なかったところに何かが生まれる違和感よりも、あったところからなくなっちゃうっていう喪失感は、考えているよりもずっと大きいよ。

そりゃー、クラブは続きますよ。
しかし例えば。
協賛費だって広告収入だって入場料収入だってメディアへの露出だって強化費だって年棒だって、落ちたら間違いなく減る。当然、分配金だってない。状況は激変する。1→2とは違うんだ。
それをイメージできるかどうかだ。

来年10周年じゃないですか。
そんなメモリアルイヤーに、そんなんなっちゃうわけにはいかんでしょ。
本出せなくなるですよ。今までだって、元気と夢と活力は少なくとも与えてきてくれたと思う。
けれど、それは永劫そうでないといけないんだ。だからこそ、それが理念なんだ。

もっと。
もっとだ。