2013年7月10日水曜日

吉田さんの件

吉田さんの解任がリリースされた。
仕方ないと言えば仕方ないところもあるけど、とても可能性のあるサッカーを志向していたと思うので、個人的には残念な気持ちが強いです。

背景も含めた現状の検証については、現時点でJマガさんから依頼を受けていてそちらで書く予定なので、あくまで個人的な記録として残しておきます。

吉田さんは、人間としてはとても魅力的な人だった。
穏やかで話しやすいし、懐が深く表裏がない。就任会見のときに「誠実であること」を自らの信条として挙げていた通り、人によって対応を変えるようなことも(少なくともこの半年間で接したり見てきたなかでは)なかった。ただそういう正直さ、愚直さが、もしかしたら、というか結果的に裏目に出たのかもなと思う。

どうしても比較になるが、やり方を変えてでも、どんな手を使ってでもポイント取りに行くんだという意地みたいなものをベースに、あらゆるネットワークを使って情報を集め、緻密に戦略を練りシナリオを作っていく高木さんとは違って、相手のことは考察しつつも自分たち(もしくは自分)のやろうとすることを貫く、貫こうとしていた。

でもやっぱりゲームは相手があって成り立つものだし、思うように運ぶことなんてあんまりない。そういう想定外の事態になったときにどう対処するかという腹案みたいなものに関しては、あまり聞きだせなかった(もちろん何でもかんでもあけすけに本音を言ってたわけではないはずだから、それはこちらが引き出せなかったのもある)。

実績をお持ちなので大変失礼であることは承知の上であえて言えば、指揮官か指導者かという分け方をするなら明らかに後者。トレーニング自体は見ていてアイデアも感じたし、声かけも素晴らしく(まさしく良いプレーのひとつひとつに的確なタイミングで「素晴らしい!」と言っておられた)、経験の少ない若い選手に自信をつけさせ育てるという面では、この半年だけでも小さくない効果があったと、個人的には思う。
だからこそもう少し時間かけて見せてもらいたかった、というのが本音。

熊本での通算の戦績は5勝7分11敗。
負け試合もたくさん見たけど、初勝利の3節松本(2-1)、ホーム唯一の12節水戸(3-2)、鬼門の鳴門で勝った13節徳島(3-0)、そして去年の借りを返した16節岡山(3-2)と、5勝のうち4つを現場で見ることができたのは、自分としては幸せだったと思う。その4つの試合はどれも、ヒヤヒヤもしたが面白いゲームだったし、引き分けたがガンバ戦も見応えがあった。

最近のホームゲームでは、試合後の会見を終えての最後のひと言が「すいませんでした」というセリフばかりで、いや、謝らんでください、その代わりもっともっと強気でいってください、と感じてました。今日の練習が始まる前にお見えになってたようだけど、タイミングが合わずに最後に挨拶もできなかったのが非常に心残りです。でもまたどこかでお会いできるよう、自分としてもできる限りサッカーの周りで仕事を続けていかねば、とも思った次第。

精神的にもお疲れではないかと思うので、少し休まれて、また違うところで本来の指導力を生かしていただけたらと思う。

短い間でしたが、お世話になりました。